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レーザー光による発芽処理

アサガオの種子は硬実種子のため、そのまま播いても一部しか発芽しないため、刃物で種皮を傷つける、濃硫酸で処理する等の発芽処理を必要としていました(芽切り、scarification)。これには労力や危険性を伴うものでしたが、2015年度より、タキイ種苗株式会社様のご厚意により、「レーザー光照射による硬実種子の発芽改善方法及び発芽改善種子」(特許番号4343790号;KR100558504)の特許技術を無償・学術利用に限り利用させていただけることになりました。この方法はレーザーマーカーのレーザー光(CO2レーザー)により、種皮の一部を穿孔するもので、操作も簡便、確実でほぼ100%の吸水率を達成できます。特に大量の種子を利用する実験に有効で、処理済み種子の保存性も少なくとも数年は問題はないと考えられます。以下に試験した結果を掲載します。

arrowレーザー光による発芽処理の依頼、処理済みの種子の発注等はこちらののページをごらんください。

種皮の穿孔

穴をあけたアクリル台座に種子を固定し、5箇所レーザー光でXの文字を刻印した。種子の形状によらず最低でも1箇所は穿孔できる。もっと多数穿孔したものと差は見られない。系統番号や大学のロゴマークの刻印等も可能である。現在手動で処理しているが、それでも1時間あたりの処理可能数は5,000~10,000粒程度で通常の利用であれば十分である。

最適条件の検討

種子のロット、系統によっても異なるが、ムラサキでは未処理のものでは吸水率(〜発芽率)15%程度、500msのスキャンスピードでは、レーザー強度が20%以上でほぼ100%の吸水率を達成できる。スキャンスピード500ms、レーザー強度50%を標準設定とした。

 

標準強度(スキャンスピード500ms、レーザー強度50%)の50倍までレーザー強度を上げても目立った発芽率の低下は見られない。ただし子葉に多くの穿孔が見られる。標準強度で種皮の厚さが異なると思われる渦なども含む系統をいろいろ処理してみたが発芽率はほぼ100%であった(下図)。

 

種子の保存性

当研究室の調査で、アサガオ種子は、冷蔵(4℃)、低湿度(20%)で、50年以上の長期間保存できることが明らかになっている。レーザー処理した種子は穿孔により種子の寿命が多少短くなる可能性があるため、現在長期保存のテストを始めている。しかし、少なくとも数年は発芽率を維持できるのではないかと予想している。

謝辞

特許技術の利用にあたり使用許諾をいただきました、タキイ種苗株式会社、および、手続き等で九州大学有体物管理センターの深見克也特任教授には大変お世話になりました。ここに明記して感謝いたします。

関連リンク

タキイ種苗株式会社

カンナ・トロピカルシリーズの紹介

J-tokkyo特許情報ページ

キーエンスレーザーマーカー

九州大学有体物管理センター

 

 

 

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