・メンデルの法則を確認するための実験
アサガオには子葉の段階で表現型に現れる変異が多く保存されている。また、アサガオは開花前に自動的に自家受粉する仕組みを備えており、多くの種子は自家受粉(セルフ)で結実したものである。
以上のことを利用して、播種し発芽後すぐに計数できる変異をヘテロ接合の状態で保存されている系統を用いれば簡単に短期間で遺伝の実験を行うことができる。また、蕾が着くまで鑑別できないが、不稔の強い八重咲き(千重咲)の牡丹(dp)変異をヘテロ接合で持つ系統も多く、これも1/4の確率で分離してくる。
・ABCモデルによる花の形態形成モデルの説明
アサガオには、江戸時代から保存されている、強い八重咲きである牡丹(dp)と比較的最近見つかった花弁が萼片に、雄ずいが雌ずいに転換した無弁花(cd-ps)の両方をヘテロ接合で維持している系統があり、この系統から分離した花を観察することでABCモデルを理解することができる。
・生理学的実験
ムラサキ(Q79)は教育目的でも広く用いられており、他の系統と比べ廉価で提供しているため、花芽の誘発条件の実験等、様々な生理学実験に用いることができる。