ナショナルバイオリソースプロジェクト(NBRP)は2002年度(平成14年度)より、文部科学省のプロジェクトとして開始され、2015年度(平成27年度)から日本医療開発機構(AMED)に移管され事業が継続している。
NBRPは基礎研究に用いる生物資源を収集、保存・整備し、研究者に提供することを主目的としており、単に系統保存というよりも意味が広い事業である。参画機関は、担当リソースを統括する代表機関と機関の特性を活かした活動を行う分担機関に分けられ、下の地図のように日本全国に29種類のリソースが分散して保存されている。また代表機関と分担機関でも同じリソースをお互い持ち合う体制を整えている。このように分散して保存することは、昨今頻発している地震等の災害への備えとしても有意義なものである。
NBRPアサガオは主に突然変異系統を取り扱う代表機関の九州大学およびDNAリソースや着色変異系統を取り扱う自然科学研究機構(基礎生物学研究所)の2機関によって構成されている。九州大学には、アサガオの他に、カイコの代表機関、イネ、大腸菌の分担機関が存在し、南西日本の温暖な気候を活かした特長のあるリソースを保存している。