アサガオの花色・模様

 8世紀にアサガオが中国から日本に薬草として輸入されたとき、花の色は下の東京古型標準型のような青い色であったと思われる。アジア各地由来の野生型や系統間交雑でできる雑種第1代がこのような青色であることもこのことを物語っている。アサガオの花色は多様であるが、白色以外は、基本的には以下に示した遺伝子、purple (pr), magenta (mg), dusky (dy), duskish-1 (dk-1), duskish-2 (dk-2), dingy (di)の組み合わせで決まっている。しかし色の濃淡が同じ遺伝子の組み合わせで異なるのは、これら以外の、Dilute (D)やintense (i)、light (lt)、tinged (tg)、fainted (fa) 等の花色の濃淡に関与する遺伝子が異なっているからである。いろいろな系統の花を別ページに示した。

 色・模様に関する遺伝学的研究は今井・萩原によって精力的に研究行われ、花の色素であるアントシアニンの分子構造は明治学院大学の斎藤規夫らが明らかにした。またそのアントシアニン色素の生合成に関わる遺伝子群は基礎生物学研究所の飯田滋のグループによってほとんどがクローニングされ発色の分子機構が解明されている。


野生型の花色・東京古型標準型 (TKS)


アサガオの花色

アサガオの花模様

黄色・黒色のアサガオ

江戸時代の黄色アサガオ