アサガオの生理学 |
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アサガオ花成生理学実験法 |
アサガオへの接木によるサツマイモの花成 | |
九州南部・沖縄以南ではサツマイモ(Ipomoea batatas)は普通に花を咲かせるが、本州以北でサツマイモの花を見ることは珍しい。サツマイモは短日植物であるが、鈍感な短日植物で、花成を誘導されるには長期間短日条件下に置かれる必要がある。そのため、本州以北では、秋も深まった頃に十分な短日処理を受けることになるが、その頃には気温が低下するため、花芽は分化しても開花するには至らない。従って、開花を見るのは稀なのである。 |
1.サツマイモ接穂の用意 |
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アサガオに接木するサツマイモの接穂としては、種子から育てた芽生えを使ってもよいし、塊茎(芋)から不定芽を出させて使ってもよい。もともとサツマイモは花を咲かせにくいので種子の入手は容易ではないが、観賞用サツマイモとして種子を市販している種苗会社もある。花を咲かせたとしても、サツマイモは自家不和合性が強いために他家受精でできた種子がほとんどのため、種子から育てた芽生えの遺伝的背景は均一ではない。塊茎から出させた不定芽の遺伝的背景は均一であるから、生理学的実験には適している。ただし、不定芽の成長は不揃いで、茎は種子からの芽生えより太い傾向にあるので、アサガオに対する接木はやりにくい。
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2.接木 |
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長日条件下で2週間育てたアサガオ芽生えを用意し(アサガオの育て方と花成誘導の方法−寒天培地への播種)、台木とする。
外径4mm、内径2mmのシリコンゴムチューブを長さ10 mmに切り、縦に切り開いたものを用意し、接木チューブとする。 |
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3.馴化 |
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接木後4日目に、ビニル袋のクリップをはずし、上部を開いて外気を入れて、馴化する。 |
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4.暗処理 |
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接木したサツマイモ/アサガオを暗処理用インキュベータ(25℃、8時間明期−16時間暗期)へ移動し、4日間暗処理を行う。 |
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5.観察 |
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アサガオの場合と同様にして(「花芽の判定と花成反応の評価」)、サツマイモ芽生えの花成反応を調べる。 アサガオは1つの葉腋に1個の花芽を作るのが普通だが、サツマイモは1つの葉腋に数個の花芽からなる1個の花序を作る。花芽の構造は両者でよく似ている。 |
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