1. 芽生えの主茎の長さ(子葉の付け根から茎の先端までの長さ)を物差しを使ってmm単位で測定し、栄養成長の指標とする。
2. 一番下の本葉(第1葉)から始めて、全ての本葉の付け根(葉腋)を実体顕微鏡の下で観察し、腋芽を柄付針で解剖して、葉芽であるか花芽であるか、あるいは芽は無かったかを記録する。
発達した葉芽では葉原基に葉脈が見られ、発達した花芽では2個の苞葉、5個の萼片、5個の花弁、5個の雄ずい、3個の心皮(3個の心皮が後に合着して1個の雌ずいを形成する)がこの順序で同心円状に配列しているので、互いに見誤ることはない。
未発達の葉芽と花芽は次の特徴によって識別する。葉芽は全体として細長く、同形だが大きさの異なる数個の葉原基から成る。一つ一つの葉原基は細長く、ほとんど湾曲せず、葉原基自身よりも長い毛が生えている。それに対して、花芽は全体として丸く、2つの同形、同大で、細長い、内側に湾曲した苞葉原基に挟まれて、同形、同大の丸い萼片原基が円周上に等間隔に並んでいる。毛は苞葉原基、萼片原基自身よりも短い。
さらに未発達の花芽で、萼片原基の数が5個未満のときは、萼片原基間に大きさの差があり、2個の苞葉原基との相違も明瞭ではないが、全体として丸く、毛が短いという特徴はすでに備えている。
より未発達の段階で、2個の葉原基だけから成る葉芽と2個の苞葉原基だけから成る花芽は次のようにして識別する。2個の原基の大きさが異なり、原基の先端が細く、基部にくびれ込みが無く、ほとんど湾曲せず、原基自身よりも長い毛があれば葉芽である。一方、2個の原基が同大で、原基の先端が丸く、基部にくびれ込みがあり、内側に湾曲し、原基自身よりも短い毛があれば花芽である。葉または苞葉の原基が1個しか形成されていない段階でも、これらの特徴が認められれば識別できる。しかし、判定に迷いがあるときは、識別不能と記録するのが無難である。
|