アサガオ系統リスト

 現在まで保存されている突然変異体のほとんどは、今からおよそ200年ほど前の、アサガオ栽培の第1次ブーム(文化文政期1804〜1830)に見つかったものである。また、その後の嘉永安政期(1848〜)の第2次ブームにはそれらを組み合わせた複雑な系統を栽培していたことが、当時の図譜から伺い知ることができる。その後明治に入り、栽培熱は衰えるが、再び栽培が盛んになり、次第に江戸時代を超えるようなレベルに達し、昭和初期には美の極致と呼べるような変化朝顔が鑑賞されていた。しかしこれらの系統も第2次世界大戦でその多くが散逸し、戦後は小川信太郎(伊賀上野)、中村長次郎(大阪)、山高桂(名古屋)、渡辺顕辰氏らごく少数の愛好家によってかろうじて保存されているに過ぎなかった。これらの貴重な系統は、国立遺伝学研究所の竹中要によって収集され、1956年に開催された国際遺伝学会議シンポジウムにおいて展示された。国立遺伝学研究所はその後も系統のコレクションを続けていたが、1991年を最後に系統更新を休止していた。1997年からこれらの系統は九州大学に移管され、系統の更新を再開して現在に至っている。
 戦前、今井喜孝、萩原時雄らは、突然変異系統間の交配実験を盛んに行っており、よく似た表現型を示す突然変異体も別遺伝子座の突然変異であることを突き止めて多数の遺伝子座を記述した(対立遺伝子も含めて219に及ぶ)。現在では彼らが用いた系統が残存していないため、記述された変異体と現存の変異体の対応が不明確なものも多いが、現在、連鎖地図上の位置の決定等による対応付けを行っている。

 不稔の獅子(fe)や柳(mw)突然変異を持つような系統は親木(おやき)と呼ばれるヘテロ株で系統保存をしており、アサガオは強い自殖性を示すため毎世代、不稔の突然変異株(出物)が分離してくる。

 以下に九州大学で現在保存している系統リストとその画像カタログを示している。九州大学におけるアサガオの系統番号は基本的には、Qで始まる1〜4桁(場合によっては小数点下1桁)の数字であり、詳細についてはこのページに示している。


系統リスト2010
系統番号の背景が白:頒布可
黄色背景の系統:頒布可(数量に限りがあります)
ピンク色背景の系統:頒布不可。研究用には頒布可能な場合もあります。

遺伝子記号はセミコロン;で 形態・葉色等の変異; ヘテロで維持している変異; 花色変異 の順番で区切っています。(例) v cm; fe dp; mg pr tw :  

画像カタログ2006(閲覧用 5/06) 
画像名の最初の4桁の数字が系統番号です。0007-0000.jpg = Q7 またはQ0007

  画像カタログ2006(大型 5/06)

交配系統カタログ2006(閲覧用 5/06)

  交配系統カタログ2006(大型 5/06)

以下2005年更新分ですが、参考にしてください。

系統リスト(遺伝子 型、表現型、由来等; NBRPへの外部リンク)
系統番号による検索には、Q0123のように頭にQを付けて数字を4桁にあわせてください。
遺伝子型の意味=ホモ接合の形態形質; ヘテロの形態形質; 花の形質 の順番で示しています。鑑賞上、出物と呼ばれるものは、ヘテロの形態形質のところに記号の記載があります。

保有変異によって分類した系統画像カタログ

全系統画像カタログ(系統番号順)

全系統画像カタログ(系統番号順) 拡大表示・印刷用 大サイズ

交配・新規導入系統画像カタログ(系統番号順)
系統番号は6で始まってるが、これをQXと置き換えて次の3桁が系統番号である(例:60250021.jpg → QX25)

交配・新規導入系統画像カタログ(系統番号順)拡大表示・印刷用大サイズ)

旧画像カタログ(記録のために残していますが、上記の最新のリストを参照してください)

実験用の特殊な系統群