低温要求性に関わる遺伝子としてFLOWERING LOCUS C(FLC)が中心的な役割を担っている。FLC遺伝子はMADSドメインを持つ転写因子である。早期開花エコタイプのLerはバーナリゼーションを受けないが、このときFLCは発現しない。花成遅延変異体fca-1はバーナリゼーションを受け、FLCの発現が減少する。つまり、FLCは花成を抑制する機能を持ち、FLCの発現は低温で抑制され、FCA遺伝子に抑制されている。
flc-13変異体は低温非感受性だが長日条件で花成が早まる。flc-13ではFLCは発現しない。それにもかかわらず長日条件で花成が早まるのだから、FLCは光周的花成には関与していない。
低温感受性の花成遅延変異体ではFLCの発現量が多く、これは低温処理で減少し、低温処理後は検出レベル以下の状態が維持される。FLCを強制発現させると、低温処理しても花成は早まらない。fri突然変異体ではFLCは発現しない。FLCの発現は光周期で影響を受けない。光周期変異体はFLCレベルを変えない。
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