アサガオの遺伝子リスト
アサガオの研究はほとんどが日本で行われたため遺伝子名のほとんどに日本語名がある珍しい実験植物である。名称の由来はその突然変異体の表現型を端的に現しているものが多いが、江戸時代からの伝統的な名称を用いているものも多い。例えば立田は5裂した楓様の葉をつけるが、これは楓の名所、立田(龍田)川にちなんだものである。またアサガオには他の植物と比べて子葉、本葉、花と多面発現する遺伝子が多いがこれは、江戸時代、突然変異体が見つかってきた経緯と、系統維持の際に多面発現する形質が優先的に残ってきたためだと考えている。このような多面発現する突然変異体で稔性のある系統を「性(しょう)」、不稔の系統を「筋(すじ)」と古来読んできており、系統維持には重要な概念であったと思われる。例えば渦性(contracted)、柳筋(maple-willow)のように言う。ただし、現在の遺伝学から言うと立田性(maple)も柳筋(maple-willow)も同じmaple遺伝子の突然変異によるものであり、ハイポモルフ(hypomorph;遺伝子の発現量が減少した変異)の程度の違いを言っているに過ぎない。
突然変異体の遺伝学的解析は1900年初頭に外山・竹崎らによって始められ、その後、特に、今井・萩原両氏によって精力的に研究され、対立性検定や連関群の調査、連鎖地図の作製等が行われた。1956年に萩原がそれまでに見つかった突然変異体についてまとめており、これによると、それまでに記述された遺伝子座は219にのぼり、そのうち71の遺伝子座は染色体上の座位が決められ、75は連関群が明らかになっている。残念なことに彼らがもちいた突然変異系統はほとんど残っておらず、複数の遺伝子座が同一の表現型を示すものは、現存している突然変異がどれに相当するか不明なものも多い。現在、九州大学で保存され、実験に用いている突然変異系統は、戦後、国立遺伝学研究所の竹中要が愛好家から収集したものである。
江戸時代、文化文政期から嘉永安政期、その後の明治から昭和にかけての朝顔図譜や、同好会誌はアサガオの突然変異体の情報の宝庫であり、現在では失われている突然変異体もいろいろ見ることができる。例えば、桐(六曜ともいう)は大型の突然変異で、その豪快な花容が江戸時代〜明治期に特に好まれた。また手長筋(手長牡丹;deformed; de)も現在では絶種となっているが、葉柄の長い葉を持ち、雄しべだけでなく、強い対立遺伝子では雌しべも弁化していたようである。このような失われた突然変異も花器官の形態形成のしくみを考える上でも再現が望まれる。燕(miniature; mi)は一度絶種になっていたが、戦後再発現した。また、これも戦後、大輪アサガオの天津から枝垂(weeping; we)が出現している。多数アサガオを栽培していると新規の突然変異が現れる。これは自殖性(自家受粉する性質)の強いアサガオでは劣性の突然変異がホモ接合になって現れるためである。
突然変異体の写真があるものは遺伝子記号にで示してあるのでクリックしてほしい。
遺伝子記号 |
遺伝子名(英 名,和 名) |
連鎖群 |
突然変異体の表現型・備考 |
現存? |
|
a-l |
a-l,a-1白 |
4 |
白色花,緑茎,花冠は環境によっては,わずかに着色することがある。 |
||
a-lf |
a-1-flecked,a-1雀班 (flecked-1, 雀斑1) |
6 |
a-1の対立遺伝子。花冠には花青素の小さな条斑があり,花筒は有色。園芸的には雀斑または時雨絞とよばれる。 |
||
a-2 |
a-2-white,a-2 白 |
5 |
a-1白と同じ表現型。 |
? |
|
a-3-white,a-3 白 |
5 |
|
a-1白と同じ表現型。飯田らによってクローニングされた。遺伝子の本体はアントシアニン合成に関与するDFR-B遺伝子である。 |
◎ |
|
a-3-flecked,a-3雀班(flecked-2, 雀斑2) |
5 |
|
a-3の対立遺伝子。花に小さな花青素の条斑ができる。胚軸・茎にもときどき条斑がある。易変遺伝子でしばしば全色に転化する。園芸的には雀斑または時雨絞とよばれる。飯田らによって、En/Spm類似のトランスポゾンであるTpn1がDFR-B遺伝子に挿入しており、これが体細胞で転移するため咲き分けることが示された。 |
◎ |
|
a-4 |
a-4-white,a-4 白 |
1 |
a-1白と同 表現型。 |
? |
|
ab |
albescent,帯白色 |
|
子葉は白っぽく子葉柄も白い。第1葉はとくに白いが、後に出る葉は次第に普通となり、生育した植物体は正常となる。生存力は幾分低い。稔性は普通。 |
||
acuminate,南天 |
4 |
|
子葉柄は林風のように子葉に付着する部分で太くなり、肩がはっている。しばしば子葉の股を開く。葉片は深く裂けて、先が尖り縁辺は裏にまくれ、しばしば複葉となる。花冠は花筒のやや長い漏斗状で口径は小さく開き、縁辺がまくれ、ときどき不規則に裂ける。花筒はやや長い。稔性は低い。 |
◎ |
|
albino,白子 |
||
子葉はほとんど純白で、ごくわずかに葉緑素を含む。発芽後10-14日で枯れる。 |
○ |
|
am |
amber,琥珀 |
|
子葉ははじめ鮮黄色で後に淡黄色となり、発芽後しばらくして枯れる。 |
||
ar |
anchor,錨葉 |
|
葉柄は葉片の付根で太くなる。しかし屈曲しない。 |
||
Blown-l,林風-l |
1 |
|
子葉柄が付根で太くなる。葉柄にも同様な特徴が現れる。葉片は手でしごいたような形となる。ヘテロ個体もやや弱いがはっきりとした林風の表現型を示す。 |
◎ |
|
B-2 |
Blown-2,林風-2 |
8 |
前者に似ているが表現型はやや弱い。 |
? |
|
B-3 |
Blown-3,林風-3 |
5 |
B-1, B-2と協力して林風葉を表現する。 |
? |
|
b-4 |
bIown-4,林風-4 |
|
B-1、B-2より表現型ははっきりせず上部の葉では特徴が分からなくなる。 |
? |
|
bb-l |
bobbed-l,断髪-1 |
2 |
植物体に生じる毛が短い。 |
◎ |
|
bb-2 |
bobbed-2,断髪-2 |
1 |
毛が短い。 |
? |
|
bd |
broa,太葉 |
|
葉の腰が太く、丸葉遺伝子をヘテロにもった並葉に似ているが、葉形が少し乱れる。 |
||
bf |
buff,淡黄種皮 |
|
種皮が淡い褐色。 |
○ |
|
Bh |
Bushish,群生葉 |
3 |
葉は小さく叢生する。bsで表現される叢生と似ている。 |
||
bk |
broken,破れ |
|
葉は深く裂け花弁も不規則に裂ける。 |
||
brown,褐色種皮 |
1 |
|
種皮がココア色より明るい褐色である。 |
○ |
|
brm |
brown-mutable,易変性褐色種皮 |
1 |
br の易変性対立遺伝子。 |
? |
|
bs |
bushy,叢生性 |
3 |
葉は小型で草丈はやや低く、弱く叢生する。稔性は普通。 |
||
bu |
bush,叢生 |
|
枝蔓が叢生して草丈は約60センチ。稔性は低い。 |
||
brim-vein,はだぬぎ |
5 |
|
翼片の下底で葉脈は縁辺に接している。花はやや大きい。多くの大輪咲系統がこの変異をもっている。 |
||
Blizzard-l,吹雪-l |
4 |
|
Bz-2, Bz-3 と協力して花に友禅模様をつくる。すなわち濃色地に淡色の条斑、または淡色地に濃色の条斑を現わし、ときには美しい白斑が濃色地にでる。条斑の太いものは”縞”と呼ばれることがある。比較的安定しているが、系統によっては不安定な表現型を示し、全色花に復帰する。 |
◎ |
|
Bz-2 |
Blizzard-2,吹雪-2, |
|
Bz-1に同じ。 |
? |
|
Bz-3 |
Blizzard-3,吹雪-3 |
10 |
Bz-1に同じ。 |
? |
|
bz-4 |
blizzard-4,吹雪-4 |
|
劣性の友禅模様。 |
||
c-l-white,c-l 白 |
3 |
|
有色茎白花、花筒は常に白い。 |
○ |
|
c-2 |
c-2-white,c-2 白 |
3 |
c-1白と同じ表現型。 |
? |
|
c-3 |
c-3-white,c-3 白 |
|
c-1白と同じ表現型。 |
? |
|
ca-white,白種子-l |
1 |
|
白色花、白種子。 |
◎ |
|
cai |
ivory,象牙種子 |
1 |
caの対立遺伝子で種子は象牙色。白色花、花筒は白。緑茎。 |
||
cb |
cb white,白種子-2 |
3 |
caと協力して白種子をつくる。 |
||
contorted,捻梅 |
1 |
|
花冠の星状部(曜)が葉緑素を含んだ機械的組織を有するため、ここが伸展せず、やや梅咲となり、しばしば花が捻れて咲く。ときには手で開かないと開花しない。 |
◎ |
|
ch |
chocolate,チョコレート種皮 |
|
種皮が暗褐色でココアより濃い。 |
||
cl |
curly,縮れ |
|
子葉は小さく葉片は葉柄に直角に屈曲し、葉の着生状態が卍状に捻れたように見える。完全不稔。 |
||
crumpled-1,打込-1 |
1 |
|
葉に指で押し込んだような打込がある。そのため葉がやや不整形になることがある。劣性であるが、笹、乱獅子、縮緬、手長牡丹には上位である。 |
○ |
|
cm-2 |
crumpled-2,打込-2 |
9 |
cm-1に同じ。 |
? |
|
cm-3 |
crumpled-3,打込-3 |
2 |
cm-1に同じ。 |
? |
|
cm-4 |
crumpled-4,打込-4 |
3 |
cm-lに同じ。 |
? |
|
cm-5 |
crumpled-5,打込-5 |
2 |
cm-1に同じ。 |
? |
|
cm-5D |
crumpled-5-dominant,打込-5優性 |
2 |
cm-5の優性対立遺伝子。 |
||
cn |
chestnut,淡褐色種皮 |
8 |
淡褐色種皮。 |
||
cocordate,丸葉 |
2 |
|
心臓形の葉。 |
◎ |
|
cordate-Hederacea-leaf,ヘデラセア葉 |
||
アメリカアサガオ(I. hederacea)との交配雑種から移入された。中央の葉片はくびれ、深く切込んでおり、翼片はしばしば再裂する。アサガオの野生型葉型と比べて優性である。 |
◎ |
|
coa |
cocoa,ココア種皮 |
|
褐色(br)よりも濃くチョコレート(ch)よりも淡い種皮。 |
||
crepe,縮緬 (cr壬e) |
2 |
|
細かな凸凹のある縮緬地の不整形の葉をつける。花筒が折れ込んで飛び出すために盃状の花をつけるが栄養条件等によって普通の丸咲になることも多い。子葉は正常。蕾は有毛。 |
◎ |
|
cpr |
reversed,台咲 |
2 |
縮緬の対立遺伝子で劣性、花は台咲であるが、葉は縮まない。 |
X |
|
cr |
cream,クリーム |
3 |
花はクリーム地で花青素の条斑が入る。胚軸は緑、時に条が入る。易変遺伝子で全色花の普通に返る。Ry-1でなくRy-2に連鎖する。吹掛絞(sp)と同一の変異だと考えられる |
○ |
|
criss-crossed,石畳 |
10 |
|
花はしばしば花筒の基部まで切れ、細い花弁は互いに交叉する。また栄養条件によっては正常な花を咲かせる。萼の幅は広い。 |
◎ |
|
Cse |
Curved-sepal,曲り萼 |
|
萼片が外に反っている。アメリカアサガオ(I. hederacea)との交配から移入された。 |
◎ |
|
contracted,渦 |
5 |
|
植物体全体が凝縮しており、矮性となる。子葉と本葉は形が詰まって深緑で葉肉も厚い。花輪も種子も小さく、花弁が厚いため長く咲いており二日咲きとも呼ばれる。時おり易変的になって正常に復帰する。 |
◎ |
|
cu |
couple,夫婦咲 |
1 |
葉腋に2個花梗を生じる。第2の花は数日おくれて開く。浸透度の低い系統が多い。 |
◎ |
|
Cy |
cream yellow,クリーム黄 |
3 |
吹掛絞りの花の地色でクリームがかった黄。花はクリーム地で花青素の条斑が入る。胚軸は緑、時に条が入る。易変遺伝子で全色花の普通に返る。Ry-1でなくRy-2に連鎖する。吹掛絞(sp)と同一の変異だと考えられる |
○ |
|
D |
Dilute,減色 |
6 |
標準花色のBradley's blueをamparas purpleに減色する。 |
○ |
|
dc |
deep-crumpled,深打込 |
|
葉の打込が著しい。 |
||
deformed,手長牡丹 |
3 |
|
子葉は丸く肩がこけ、裂片は浅く切込み、子葉柄が長い。葉の肉厚は薄く葉柄が長い。蔓にくせがあって姿が乱れる。花も乱れるが雄蕊、程度が強いと雌蕊も弁化し八重咲きとなる。現在では絶種となっている。 |
X |
|
df |
deficient,欠葉 |
|
子葉にときどき細かい白斑がはいり、そこが不規則に欠如する。葉や花でもしばしば白斑が現われ、そこが欠如する。 |
||
drgonfly-l,蜻蛉葉-1 |
6 |
|
葉の中央裂片は著しく長くなり、翼片が左右に1ないし2個。翼片が1個のものを鍬形葉、2個のものを蜻蛉葉という。花冠は幾分大きく、曜はまれに5曜を越える。現在の大輪朝顔の多くの系統にこの変異が導入されている(蝉葉は州浜葉+蜻蛉葉)。 |
○ |
|
dg-2 |
dragonfly-2,蜻蛉葉-2 |
5 |
dg-1に同じ。 |
? |
|
dg-3 |
dragonfly-3,蜻蛉葉-3 |
1 |
dg-1に同じ。 |
? |
|
dg-4 |
dragonfly-4,蜻蛉葉-4 |
3 |
dg-1に同じ。 |
? |
|
dh |
dwarfish,萎縮 |
|
矮性で草丈38cm内外、渦性で子葉は小形、不稔。 |
||
dingy,ススケ |
||
Ridgwayのmauveのような暗い花色。 |
||
duskish-l,偽柿-1 |
10 |
|
柿色に似ているが淡色。最も濃い藍色と一緒になると花色をRidgwayのvinaceous
pupleにする。duskish-1は少なくとも次のような対立遺伝子を包括する。high-ruled(線が多い)、medium-ruled(線が普通にある)、unstable-plain(不安定全色)、stable-plain(安定全色)。色々な復帰変異を起す。 |
◎ |
|
duskish-2,偽柿-2 |
||
偽柿-1とは異なっていて柿に似ている。昔の論文にはdk-1とdk-2の混乱が見られる。 |
? |
|
delicate,笹 |
9 |
|
子葉は脈が目立ち裂片はやや細く、抱えることも多い。本葉は肉薄く、肩が少しこけ、裂片の先が尖る。花弁は5裂し、花筒が長くリンドウのような花を咲かせる。稔性は低い。柳との複合変異は糸柳葉と呼ばれ、糸状の葉をつける。 |
◎ |
|
dlm |
delicate mutable,不安定笹 |
9 |
笹の優性対立遺伝子で、しばしば正常に転化する。 |
? |
|
duplicated,牡丹 |
6 |
|
花の中に萼をもった蕾が幾重にも存在し、雄雌蕊は完全に欠如している。開花後内部の蕾が咲くことがある。園芸的には千重咲とか万重咲と呼ばれるものである。花弁を増やし花を豪華にするため多くの系統に導入されている。転写因子であるMADS-box遺伝子のCタイプに属し仁田坂によってクローニングされた。ある対立遺伝子にはEn/Spm類似のトランスポゾンであるTpn-botanが挿入していた。 |
◎ |
|
dt |
dotted,斑点花 |
|
茎と花に花青素の斑点が現れる。易変遺伝子。 |
||
dv |
defective,栄養不足 |
|
種子はなはだしく痩せ、汚れたような淡褐色、乾燥した種子の重さは普通のものの半分、苗は痩せて小さく形が整わない。生存力は幾分弱く、稔性もやや低い。 |
||
dwarf-l,木立-1 |
2 |
|
子葉軸は短く、子葉は硬い。蔓は太く、約75cm内外しか伸びない。節間は短い。花冠は星形になることが多い。柱頭も短いため稔性は低い。 |
○ |
|
dw-2 |
dwarf-2,木立-2 |
9 |
木立-1に同じ。 |
? |
|
dw-3 |
dwarf-3,木立-3 |
5 |
木立-1に同じ。 |
? |
|
dwy |
dwarfy,にせ木立 |
|
蔓は短く、節間も短いため葉が密生する。 |
||
dusky,柿 |
3 |
|
いわゆる柿系統の花色を表現するもので、濃藍の花色をRidgwayのdark hyssop violetに変える。黄葉(y-1)と近い座位のためと強固に連鎖している系統がしばしば見られる。 |
◎ |
|
e |
extended,全色性花筒 |
7 |
淡色性(fainted)に働いて花筒を全色にする。 |
||
e-ab |
albescent-enhanced,帯白色強勢 |
|
帯白色(albescent)の働きを強める変更遺伝子。子葉は肉薄く細形となり白さを増す。 |
||
e-cd1 |
contorted-enhancer-1,捩梅強化第1 |
|
捻梅の程度を強める。 |
||
e-cd2 |
contorted-enhancer-2,捩梅強化第2 |
|
捻梅の程度を強める。 |
||
e-cm |
crumpled-enhancer |
|
打込を強化する。 |
||
ef |
early flowering,早咲き |
|
花が時期的に早く咲く。5月初旬に播種して6月末から開花する早咲きの系統はいくつもあるが同一の変異によるものかは不明。 |
||
e-sp |
speckled-enhancer |
|
花の斑点を多くする。 |
||
e-Pj |
projected-enhanced,突起強勢 |
|
突起(Projected)遺伝子に働いて、それを強化する変更遺伝子。葉に大きな突起を生じる。 |
||
Ex |
Expanded,覆輪拡大 |
5 |
花の覆輪を拡大し、その結果花の中央に星状の色彩を残す。 |
||
fasciated-l,帯化-l |
8 |
|
成長点が線状に形成され、リボン状の茎を形成する、帯化茎に関する遺伝子で、その表現にはf-2, f-3がすべて3重ホモになる必要がある。子葉には特徴はないが、最初の本葉の葉柄がこのように長く伸びるので区別できる。茎の幅が広くなるのはしばらく成長してからである。またf-2と20cM程度の連鎖をしている。変異性が高く時折表現型が普通となる。稔性は低い。江戸期の文献を見ても、孔雀系統から起こったものと考えられ、現存の系統も孔雀、立田を併せ持つ系統が多い。園芸的には石化ともよばれる。 |
◎ |
|
fasciated-2,帯化-2 |
8 |
|
f-1およびf-3と協力して帯化を生じる。 |
◎ |
|
fasciated-3,帯化-3 |
1 |
|
f-1およびf-2と協力して帯化を生じる。 |
◎ |
|
fa |
fainted,淡色性 |
5 |
花色を薄める。dk-2(偽柿-2)に強く連鎖している。 |
||
fd |
faded,退色性(暈) |
1 |
胚軸は緑色であるが、下部の地面にはいったところに少し紅味がある。花色はごく淡色、覆輪に入ると雲輪が現われる。 |
○ |
|
fds |
smeary,うす汚れ(しみ暈) |
|
褪色性(暈)の対立遺伝子。花色をうすめる。強く働くと濃藍をRidgwayのlight violet-blueにする。覆輪があるとその内部に濃輪ができる。 |
||
feathered,獅子 |
2 |
|
子葉にも葉にもしわがあって卷く。花冠はしばしば裂け、羽毛状の小弁が附属して奇態を呈する。稔性は極めて低いか、不稔である。現在残っている系統のほとんどが管弁が折り返った風鈴とよばれる花弁をもち不稔である。 |
◎ |
|
feathered-creased,乱獅子 |
2 |
|
獅子の劣性対立遺伝子、子葉には少し打込みがあるが葉は殆ど平らか、あるいは軽微な打込がある。花は獅子。外観上生殖器官は正常に見えるが稔性は低い。江戸期には多数みられるが、近年は絶種となっていた。最近、乱獅子に近い、稔性のある系統が再現した。 |
○ |
|
fo |
foliate,多葉性 |
7 |
頂生花(terminal)の変更遺伝子として働き、程度を強める。頂生花をつけた花弁は長く伸び、丸形の小さい葉を叢生し、ときどき分枝する。 |
||
fol |
folded,袋咲 |
|
蕾が終生開かないし、葯は裂開せずして不稔。 |
||
fr |
featheroid,偽獅子 |
|
葉は小さく、生長は悪い。花も小さく羽毛状となる。 |
||
ft |
faint,淡色花筒 |
5 |
紅色系の花色に働いて花筒を帯紅程度にする。 |
||
g |
glabrous,不毛性 |
|
植物体に毛茸が著しく少ない。 |
||
G1obose,芋業 |
2 |
|
葉形は丸味を持ち、翼片の生育が悪い。花輪大、しばしば6曜以上となる。州浜と組合わさった葉型を大黒葉といい、これに蜻蛉葉が加わると恵比須葉という。 |
||
gi |
giant,巨大型 |
|
子葉ならびに葉は大きく深緑、花も大きい。稔性は著しく低い。 |
||
h-1 |
hair-l,毛蕾性-1 |
2 |
h-2およびh-3と協力して蕾に毛を生じる。特に蕾の先端に毛を生じる。 |
||
h-1D |
hair-l dominant,優性毛蕾性-1 |
2 |
毛蕾性-1の優性対立遺伝子。 |
||
h-2 |
hair-2,毛蕾性 |
3 |
蕾の先端に毛を生じる。 |
||
h-2D |
hair-2 dominant,優性毛蕾性-2 |
3 |
毛蕾性-2の優性対立遺伝子。 |
||
h-3 |
hair-3,毛蕾性-3 |
1 |
蕾の先端に毛を生じる。 |
||
h-3D |
hair-3 dominant,優性毛蕾性-3 |
1 |
毛蕾性-3の優性対立遺伝子。 |
||
hs |
hardseed,硬い種子 |
|
種皮が硬くて、ナイフで傷をつけないと発芽しない。 |
||
hw-1 |
half-white-l,底白-l |
5 |
花筒の下半分が白い。 |
○ |
|
hw-2 |
half-white-2,底白-2 |
4 |
花筒の下半分が白い。 |
? |
|
hw-3 |
half-white-3,底白-3 |
|
花筒の下半分が白い。 |
? |
|
i-1 |
intense-l,濃色性-1 |
5 |
花色を濃くする。標準型をRidgwayのdark bluish violetにする。 |
○ |
|
i-2 |
intense-2,濃色性-2 |
8 |
花色を濃くする。 |
? |
|
ig |
interaxial green,節間緑色 |
|
胚軸も茎も緑色であるが、枝や花梗の基部は着色し、花は有色。 |
○ |
|
Lb |
Large bract,大苞葉 |
|
苞葉が大きい。アメリカアサガオ(I. hederacea)から導入された。 |
◎ |
|
Ln |
Lined,立縞 |
|
花はやや淡色地で不規則な濃色の条班が入る。条斑には著しい変異がある。 |
||
lp |
lilliputian,こびと |
5 |
胚軸や子葉ははなはだ短く、子葉肉は厚く、巻込んで深緑。葉は小形で葉肉厚く、強く打ち込んでいる。葉柄もまた短い。苗の状態以上には生育しない。 |
? |
|
ls |
lobeless,無裂片 |
|
葉は丸く完全な不稔。易変遺伝子で並葉に転化する。 |
||
lt-1 |
light-l,淡彩-l |
3 |
胚軸と茎は淡色、花も淡色。 |
||
lt-2 |
light-2,淡彩-2 |
8 |
淡彩-1に同じ。 |
||
lt-3 |
light-3,淡彩-3 |
|
淡彩-1に同じ。 |
||
maple,立田 |
3 |
|
子葉は脈目立ち、耳は平行に近くならぶ。葉は深裂して楓の葉に似て、通常5裂する。花冠は幅広く5裂する。雌蕊はしばしば不完全、稔性は低い。 |
◎ |
|
maple-narrow,細葉 |
3 |
|
最近見いだされた立田の対立遺伝子。子葉は柳より小さい。本葉は柳葉と糸柳の中間程度の幅。花冠は柳より細く5裂する。 |
◎ |
|
mp |
maple-pine,松葉 |
3 |
立田の対立遺伝子。子葉は非常に小さく、葉は糸状で松葉様。絶種。 |
X |
|
mpm |
maple-pine mutable,易戻性松葉 |
3 |
立田の対立遺伝子。子葉は非常に小さく、葉は糸のようである。花は細くさける。やや易変性で正常に返る。絶種。 |
X |
|
maple-willow,柳 |
3 |
|
立田の劣性対立遺伝子。子葉細く、脈目立つ。葉は柳の葉に似る。花冠は細く5裂し先に鋸歯ができナデシコの花状になることもある。雌蕊が不完全のため不稔であるが葯はやや正常で稔性のある花粉を作る。易変性で立田に転化し、まれには正常に復帰する。 |
◎ |
|
magenta,暗紅 |
4 |
|
花色を変える基本突然変異。胚軸ならびに茎は暗紅色、花は暗紅、詳しくいえば、Ridgwayのrood's violet、毛茸は白。花成の実験によく使われるムラサキ(violet)はこの花色である。purple(pr)との2重変異は紅色(赤色・桃色)となる。 |
◎ |
|
miniature,燕 |
||
子葉は特に小型で丸く肩がこけ、裂片は浅い。葉も小型で花は小さく星咲か5裂する。花は集まって小さな房状に叢生する。完全不稔。一時絶種となっていたが戦後再発見された。 |
◎ |
|
mim |
miniature-mutable,易変性燕 |
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燕の易変性対立遺伝子。 |
X |
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Margined-l,覆輪-1 |
5 |
|
覆輪-2および覆輪-3と協力して覆輪を表現する。普通のアサガオは覆輪-2と覆輪-3を含むから、覆輪花と全色花とは一般に3:1に分離する。 |
◎ |
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Mr-2 |
Margined-2,覆輪-2 |
4 |
覆輪の表現に補足遺伝子として働く。 |
◎ |
|
Mr-3 |
Margined-3,覆輪-3 |
8 |
覆輸の表現に補足遺伝子として働く。 |
◎ |
|
Mr-4 |
Margined-4,覆輪-4 |
1 |
おそらく覆輪表現の補足遺伝子。 |
||
Mr-5 |
Margined-5,覆輪-5 |
3 |
おそらく覆輪表現の補足遺伝子。 |
||
Mr-f |
Margined fluctuated,覆輪変更 |
3 |
覆輪の変更遺伝子で、その表現に著しい彷徨変異を起こさせる。 |
||
Mr-r |
Margined reduced,覆輪還元 |
5 |
覆輪の変更遺伝子で、覆輪の程度を減退させる。 |
||
Mr-rs |
Margined-slight,軽覆輪 |
5 |
覆輪還元遺伝子の対立遺伝子で、ごく少量の覆輪を表現する。 |
||
nl |
non-lobe,無翼片 |
|
芋葉(Globose)に働いて、ほとんど翼片のない葉にする。葉は長味の丸葉ともいうべき形。 |
||
np |
nipped つまみ曜 |
|
曜の頂端がわずかにつまんだようになる |
||
op |
oblique-peduncle,花梗斜出 |
|
花梗が軸から斜に突出する。アメリカアサガオ(I.hederacea)から導入された形質。 |
◎ |
|
pear,孔雀 |
8 |
|
普通は翼片のない長味の丸葉であるが、ときには翼片が発達する。子葉柄に軽微な林風様の癖がある。花は一般に小さい。立田に対して上位。 |
◎ |
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pear-petaloid,八重孔雀 |
8 |
|
孔雀の八重咲で、雄蕊の弁化による。弁化は花糸から始まる。普通の一重咲孔雀の対立遺伝子。 |
◎ |
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pb |
piebald,まだら種子 |
|
種子は黒いが、ときどき汚れた黄色の斑を生じる。雄蕊不稔-2 (sm-2)と連鎖している。 |
||
pc |
precocious,早熟 |
2 |
早生で花蕾が蔓の基部から発現する。 |
||
Pe |
Pe-peroxidase,Peパーオキシダーゼ |
|
PelC, Pe2Cはパーオキシダーゼアイソザイム1C、2Cの構造遺伝子。PeOは不活性型。米田らによって研究・同定された。 |
◎ |
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pg |
pigmy,矮小 |
|
子葉は小さく、きわめて小形の葉を叢生し、茎はほとんど伸長しない。不稔。 |
||
Pj |
Projected,突起 |
|
丸葉に働いて小さな翼片様の突起をだす。並葉ではそれほどはっきりとはしない。 |
||
pl |
palmate,掌状葉 |
2 |
葉は5裂する。但し花は丸咲きで裂けない。 |
||
pp |
pipy,管咲 |
|
花は管のようで小さい。易変性で正常に復帰する。 |
||
purple,紫 |
5 |
|
花色を変える基本突然変異。花色の濃藍をRidgway cotigna purpleにする。mgとの2重変異は紅〜桃色の花となる。不安定で青のセクターが入る系統が多く、ときどき野生型に復帰する。今井によると第10染色体の石畳 (cs) と連鎖している。 |
◎ |
|
petaloid,八重咲 |
||
雄蕊の弁化による八重咲、弁化は葯から始まり、程度が低ければ葯は花粉を吐く。草勢が強いときは弁化の程度が強く、成長後期では弁化の程度が弱まり稔性が高くなる。雌蕊は正常。 |
◎ |
|
polymorphic,乱菊 |
||
子葉の裂片は詰まっており丸くなる。しばしば分岐し3葉の子葉となる。葉は一般に不規則に裂けて先が尖る。花は曜の数が多くなり、ひだ状となり、しばしば不規則に切れる。稔性はかなり低い。 |
◎ |
|
r-l-white,r-l 白 |
3 |
|
茎は緑で花は白、花筒は着色する場合と白の場合がある。CHS-D遺伝子をコードしており、突然変異体にはTpn3が挿入していることが飯田らのグループによって示された。 |
◎ |
|
r-2 |
r-2-white,r-2白 |
|
r-1に同じ。 |
? |
|
r-3 |
r-3-white,r-3白 |
|
r-2に同じ。 |
? |
|
retracted-l,洲浜-1 |
7 |
|
子葉の耳が詰まって丸い。葉の裂片も詰るが、とくに中央裂片は著しい。花輪は大きく、曜は6-7になる。稔性は低い。現在の大輪朝顔はすべて洲浜遺伝子を含む。 |
◎ |
|
re-2 |
retracted-2,洲浜-2 |
1 |
洲浜-1に同じ。 |
? |
|
rt |
root1et1ess,側根不全(無側根) |
|
子葉は一般に浅く裂けている。蕾の幼いときは側根がないが後には太い曲がったぎこちない側根を生じる。分離比が著しく低いが、これはrlを含む花粉管の伸長が遅いためである。 |
X |
|
Rt |
Restricted,毛じ制限 |
2 |
萼の毛茸分布を制限する。 |
||
Rayed-1,車絞-1 |
5 |
|
花は星状部だけが有色で、他は暈となって褪色している。 |
◎ |
|
Ry-2 |
Rayed-2,車絞-2 |
3 |
放射状に花色を表現するためのRy-1およびRy-1およびRy-3との互助遺伝子。 |
? |
|
Ry-3 |
Rayed-3,車絞-3 |
4 |
Ry-1に同じ。 |
? |
|
star,桔梗渦 |
||
子葉や葉は渦(contracted)に似て詰まるが程度はやや弱い。花は特徴のある星咲。 |
◎ |
|
Sa |
Striated,刷毛目絞 |
3 |
淡色の地に細かい条斑が刷毛をかけたように分布する。条斑はヘテロの方が目立つ。花筒は白。 |
||
sb |
shrubish,半叢生蔓 |
5 |
苗はやや小、葉の裂片は先尖り、葉質は硬い。枝蔓が下部から発生し、幾分叢生の気味あり。 |
||
semi-contracted,さかい渦 |
2 |
|
子葉と葉が幾分厚くてもろい。すべての器官がやや渦性を示し半渦ともよばれる。葉耳の重なりが渦ほどではない。 |
◎ |
|
sd |
stunted,いじけ |
|
生長が遅くいじけている。茎はいじけ、葉はしわがより、花は不規則に裂ける。稔度は非常に低い。 |
||
Sf |
shaded off,縁ぼけ |
|
花色が縁辺に向かってうすくぼける。 |
||
s-fm |
sterile,不稔 |
|
葉も花も小さい。生長も悪い。雌雄蕊とも不稔。 |
||
sg-1 |
stringy-l,糸蔓-1 |
5 |
茎は長くて糸のようである。めったに側枝を出さない。 |
||
sg-2 |
stringy-2,糸蔓-2 |
3 |
sg-1は+[sg-2]と共存すると並茎となる。 |
||
sh |
shrubby,叢生枝 |
|
矮性で草丈45cm以下、枝蔓は密に叢生する。 |
||
si |
stiff,筋金 |
5 |
曜が硬くなったため、花が開きにくい。 |
||
Sl |
Stellate,星形花色 |
|
ホモの覆輪花に働く補足遺伝子。白い部分をひろげ花冠の中央に星形の花色を残す。 |
||
sm-l |
male sterile-l,雄性不稔-1 |
1 |
葯が不稔、胚珠は正常。 |
||
sm-2 |
male sterile-2,雄性不稔-2 |
|
葉が幾分小さく、花姿もまた小さい。葯は通常不稔。 |
||
sm-3 |
male sterile-3, 雄性不稔-3 |
|
花は小さく、葯は薄く、しわがよって褐色となる。 |
||
sn |
syncotyI,子葉融着 |
|
2枚の子葉が融着して盃状となる。不稔。 |
||
speckled-l,吹掛絞-1 |
3 |
|
胚軸と茎に条が現れ、花冠には色素を吹掛けたような斑点ができる。この斑点の量には著しい変異がある。アントシアニン合成経路のCHI遺伝子にEn/Spm類似のトランスポゾンであるTpn2が挿入していることが飯田らによって示された。 |
◎ |
|
sp-2 |
speckled-2,吹掛絞-2 |
3 |
吹掛絞-lと同じ。 |
||
sp-d |
speckled-decolorizer,吹掛絞脱色 |
3 |
吹掛絞の変更遺伝子である吹掛絞還元に同じ。しかしほとんど総ての斑点が脱色するから地色だけのように見える。 |
||
sp-r |
speckled-reduced,吹掛絞還元 |
3 |
吹掛絞の変更遺伝子。胚軸や茎はだいたい緑であるが、枝や花梗の基部には極く淡い色がある。花の地色は黄、青白、白などで、それに小点が時折あらわれる。 |
||
sph |
spheloid,丸種子 |
|
種子は小さくて丸味をもち、種皮は褐色。 |
||
spl |
pollen-sterile,花粉不稔 |
3 |
花粉不稔。 |
||
spr |
spiral tortion,螺旋巻き |
8 |
茎または葉柄が螺旋様に卷く。 |
||
spt |
septalobata,7裂葉 |
|
立田の変更遺伝子。葉を7裂にする。 |
||
side-reduced-l,鼻葉-1 |
5 |
|
葉の翼片だけが詰り丸味をもつから葉全体が鼻形となる。 |
◎ |
|
sr-2 |
side-reduced-2,鼻葉-2 |
3 |
鼻葉-lと同じ。 |
? |
|
st-1 |
striped-l,条斑-l |
6 |
淡い地色の花に条斑が不規則に現れる。 |
||
st-2 |
striped-2,条斑-2 |
8 |
条斑-1に似ている。 |
||
st-3 |
striped-3,条斑-3 |
3 |
st-1, st-2に似ている。 |
||
su-Cy |
Cream yellow suppressor,クリーム・黄の抑圧 |
3 |
クリーム・イエローの色を抑圧して白の地色にする。 |
||
su-dg |
dragonfly-suppressed,蜻蛉葉抑圧 |
7 |
蜻蛉葉に働いて正常の三尖葉にする。 |
||
su-g |
g1abrous suppressed,不毛性抑圧 |
|
不毛性に働いて正常の有毛葉を生じる。 |
||
Su-Mr |
Margined-suppressed,覆輪抑圧 |
5 |
覆輪の表現を抑制し全色花を生じる。 |
||
su-nl |
non-lobe-suppressed,無翼片抑圧 |
|
芋葉と無翼片(non-lobe)の存在において無翼片に働いて正常の芋葉にもどす。 |
||
su-tw-1 |
tube color suppressor-1,花筒色抑圧-1 |
2 |
花筒色抑圧-2と協力して花筒色の表現を抑え白い筒色にする。 |
||
su-tw-2 |
tube color suppressor-2,花筒色抑圧-2 |
|
花筒色抑圧-1に同じ。 |
||
sw |
shallow,浅い裂片 |
|
子葉は丸形で裂片の切込みが浅い。不稔。 |
||
sz-1 |
size-1,大輪性-1 |
|
茎葉は正常であるが、花が大きくなる。 |
||
sz-2 |
size-2,大輪性-2 |
5 |
大輪性-1に同じ。 |
||
t |
terminal,頂生花 |
1 |
花梗は長く伸び、丸形の葉と蕾とを着生する。頂生花には苞葉がない。腋生花には小さい苞葉がある。頂生花が先に咲く。 |
X |
|
ta |
tardy,のろま |
|
初めの頃の花蕾は総てしぼんでしまう。後には開花する。 |
X |
|
tg |
tinged,薄色 |
3 |
花色を極く淡い色にする。 |
||
tl |
trilobata,3尖葉 |
|
立田の変更遺伝子。立田葉を3尖葉にする。 |
||
tube-white-1,筒白-1 |
5 |
|
花筒を白にする。 |
◎ |
|
tw-2 |
tube-white-2,筒白-2 |
3 |
花筒を白にする。 |
? |
|
tw-3 |
tube-white-3,筒白-3 |
4 |
花筒を白にする。 |
? |
|
variegated-1,斑入-1 |
1 |
|
葉に白斑を現し、茎に白条を生じる。子葉にもときどき白斑が出る。種皮は黒褐色で背に黒縞がある。 |
◎ |
|
v-2 |
variegated-2,斑入-2 |
2 |
斑入-1に同じ。 |
? |
|
v-3 |
variegated-3,斑入-3 |
3 |
斑入-lに同じ。 |
? |
|
v-r |
variegated-reduced,斑入還元 |
|
葉に淡緑色の細かい班がある。班入はときどき網状となる。班入に働く変更遺伝子。色素体の突然変異による。 |
||
vi |
virescent,浅緑色 |
|
子葉と葉は青白く、生育がおくれ、生存力が弱い。栄養不良のため、花も葉も小。 |
X |
|
vt |
velvet,長毛種皮 |
|
種皮に長毛を生じる。 |
||
Wd |
White-dominant,優性白色 |
|
花色を抑圧して白色とする。 |
X |
|
weeping,枝垂れ |
||
茎は卷かず、植木鉢から直角に下向し、負の屈地性を失っている。戦後、織家氏によって大輪咲き(州浜)の天津(青斑入蝉葉)から発見された。そのため多くの系統が青斑入蝉葉を持っている。 |
◎ |
|
wl |
wrinkloid,しわ咲 |
|
花にしわがよるが、程度は著しくない。 |
||
wrinkled,縮咲 |
||
花は縮咲で星形を呈し、稔性が低い。易変性でなみに転化する。 |
◎ |
|
xt |
xanthic,鮮黄子葉 |
|
子葉が鮮黄色で、後淡黄色となる。ときに緑班の入る易変遺伝子。普通は葉を出さないで枯死するが、緑班が生長点部にあると生育する。 |
X |
|
yellow-l,黄葉-l |
3 |
|
葉、茎が黄緑色。 |
◎ |
|
yellow mutable-l,松島-l |
3 |
|
黄葉であるが、体細胞突然変異のため黄葉に緑色の点や班ができる。y-1の対立遺伝子。易変性で正常葉に転化する。 |
○ |
|
y-1m2 |
yellow mutablel-2,松鳥-2 |
3 |
y-1の対立遺伝子。松島-1より易変性が強い。 |
○ |
|
y-2 |
yellow-2,黄葉-2 |
3 |
葉、茎が黄緑色。 |
? |
|
ye |
yellowy,偽青葉 |
|
子葉は黄緑色でしばしば緑班をもつ。若い葉も黄緑色で緑点をもつが、古くなると緑点が拡大して並葉のようになる。易変性。 |