ヒルガオの牡丹咲、California Rose
ヒルガオにも八重咲(牡丹咲)の突然変異が存在する。1944年イギリスのFortuneが中国で発見し、本国へ持ち帰り、欧米で栽培されている(英名:California rose)。日本花卉から発売されており、”天子牡丹”という品種名がついている。最近では大手の種苗会社も取り扱うようになった。渡辺好孝氏によると、Fortuneよりも先の昭和初期に満州で見つかったものだということで、本来、”纏枝牡丹(てんしぼたん)”と呼ばれていたものだと言う。また(のぎへんに農という字;禾農)じょう久会雑誌12号(大正4年・1905)にも八重咲のヒルガオの図がある(図中央)。これも同じ系統ではないだろうか? アサガオの牡丹(duplicated=MADS遺伝子、C機能)と相同な遺伝子の突然変異によるものであろう。
ちなみに右のアサガオ(萼が増加しており、俗に言う唐松萼になっている)も珍しい。
多年性で栽培は易しいが、アブラムシ・サシガメの類が着きやすいのでオルトラン粒剤などを株もとにまいておくとよい。鉢植えでは毎年株分けする必要がある。6月中下旬から7月にかけておもに開花するが、その後、冬に枯れるまで花を付けない。