獅子咲牡丹(ししざきぼたん) 獅子咲牡丹のカタログへ
変化朝顔では獅子咲系統(獅子咲(fe)を獅子の部、獅子咲牡丹(fe+dp(牡丹))を花の部と称して鑑賞する。原始的な獅子はろうと状の花の外に髭状の附属弁がついた袴獅子や乱獅子とよばれるものだったようだが、風鈴と呼ばれる、筒状の花弁の先端が折り返した花弁のものが現れ、この芸を見せるものが主に鑑賞されている。他にも流星咲(管弁、若名獅子)、髭咲等のような花弁のものもそろっていれば鑑賞される。変化朝顔では一重の花は花弁数が少なく寂しいため、通常は牡丹変異(雄蕊と心皮が花弁化する、園芸的には千重または万重咲と呼ばれるもの)も合わせ持つ花を観賞するが、獅子咲は牡丹が入らなくても鑑賞する唯一のジャンルである。
獅子咲には花弁が風鈴にならない、髭とよばれる花弁が混じることが多いが、ほとんど混じらないものを総風鈴とよんでおり芸の程度が高いという。風鈴の形の良い系統について選抜が行われた結果(つまり、強い対立遺伝子が選ばれた)、葉が強く抱えた掬水爪龍葉(きくすいつめりゅうば;手のひらで水をすくう形や龍の爪にたとえている)や握爪龍葉、玉龍葉のものが多く残っている。獅子出物の子葉は見分けやすく、採取用の親木(ヘテロ株)も野生型と比べて葉が抱えているので系統の維持は他の出物系統(ヘテロで維持している系統)と比較して容易である。つまり出物抜けしにくいため、親木の本数を少なくしても系統維持できる。また系統によっては獅子遺伝子座のすぐ近くにある丸葉遺伝子(cordate)とトランスへテロの状態になっているものもあり(連鎖地図の第2染色体の端)、これは獅子をヘテロで持たない株(出物抜けと呼ぶ)は丸葉を持つため、より判別が易しい。
左:獅子出物の子葉、右:獅子をヘテロにもつ親木の子葉
獅子咲(獅子(fe))
青立田雨龍葉紅管弁獅子咲 448 |
青渦抱鍬形葉青紫総大鳥甲獅子咲 X122 |
獅子咲牡丹(獅子(fe)+牡丹(dp))
青掬水爪龍葉瑠璃総風鈴獅子咲牡丹 426 |
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黄握爪竜葉赤紫風鈴髭入獅子咲牡丹 408 |
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黄握爪龍葉赤紫総風鈴獅子咲牡丹 419 |
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青爪龍葉藤紫髭交風鈴獅子咲牡丹 411 |
青抱獅子葉白風鈴獅子咲牡丹 413 |
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青抱獅子葉淡藤獅子咲牡丹 428 |
青抱獅子葉淡紅紫獅子咲牡丹 438 |
青握爪龍葉紅風鈴髭混獅子咲牡丹 432 |
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黄握爪龍葉暗紅総風鈴獅子咲牡丹 442 |
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青掬水爪竜葉白風鈴髭混獅子咲牡丹 439 |
青掬水爪竜葉白風鈴髭混獅子咲牡丹 440 |
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青蛇腹獅子葉青紫総鳥甲獅子咲牡丹 X60 |
黄抱獅子葉青紫獅子咲牡丹 X60 |